29 juin 2011
(NOW TRANSLATING)「とことんSDガンダム!! in ロフトプラスワン 」レポート【後編】
後編では『第二部「機動戦士SDガンダム」特集 ~あの頃俺は若かった~』と『第三部 SDガンダムの未来とは? ~俺たちのSDガンダム~』の模様をレポート!
5月8日に新宿ロフトプラスワンで行われた「とことんSDガンダム!! in ロフトプラスワン」。イベントレポート後編では、第二部と、豪華アイテム大放出のプレゼント抽選会も行われた第三部の模様をお届けしていこう。
⇒ イベントレポート前編はこちら
■ 第二部「機動戦士SDガンダム」特集 ~あの頃俺は若かった~
今やデフォルメキャラの代表的存在となった「SDガンダム」。そのSDガンダムを創った男たちをゲストに迎えて行われた第二部は、「機動戦士SDガンダム」の制作秘話や、当時のそれぞれの思い出を交えながら、1990年当時のSDガンダムブームを振り返る内容で、錚々たる面々が壇上に上がると、会場からは割れんばかりの拍手が送られた。
左から司会の尾上一等氏、バンダイホビー事業部・長谷川氏、菅沼久義氏、アミノテツロ監督、横井孝二氏、今石 進氏、寺島慎也氏。尾上氏は先日発売された「SDガンダム大全集 騎士ガンダム編」(アスキー・メディアワークス刊)を手がけたSDガンダムライターだ。
「戦国伝でいうところの地上最強編の後半あたりから、主に武者のデザインをさせて頂いております。
三国伝のメインデザインをやらせてもらいました寺島慎也と申します。」
「全国のみんなオッス!まだ声が小さいぞオッス!!みんな大きくなったなぁ。
昔見た時はこんなだったからな。今日もよろしく今石です。」
「未だにSDガンダムを描いております横井孝二です。よろしくお願いします。」
「化石ばっかりですけどアニメのSDガンダムを監督してました。
アミノテツロですよろしくお願いします。」
「SDガンダムを創った男たちと言われていましたが、僕は“当時SDガンダムのプラモデルを作っていた男”です。声優界一SDガンダムを大好きな男と自負しておりますので、ぜひよろしくお願いいたします。SDガンダム三国伝で郭嘉ヴァサーゴをやらせて頂きました菅沼久義です。今日は視聴者代表でがんばります。」
「長谷川指導員です。バンダイのBB戦士開発担当で、古いのだと109番の烈光頑駄無あたりから始めて、
今は三国伝の太史慈あたりからまたちょっと担当しています。」
各人からの挨拶の後、口火を切ったのは視聴者代表の菅沼さん。どの辺りが好きだったのかと話をふられると、「当時近所にいた親戚の影響でSDガンダムを知ったのですが、そのかわいさに惹かれてどんどん好きになって、SDガンダムの消しゴムはPart.1ぐらいから集めてました。その後はBB戦士や元祖!はもちろん、ガンダムクロス、キャラカ~ンまで買っていました。」と、さっそくディープなマニアックぶりを発揮。
さらに手に入れたばかりの、自身が演じる郭嘉ヴァサーゴに監督ら登壇者のサインが入った色紙と、世界に一つしかない寺島氏直筆のイラスト色紙を披露し、「これプレゼントじゃないですからね!あとでジャンケンして1名様にとか、そういうことは絶対ないので!僕の一生の宝物で家宝にしたいと思います!」と、いかにSDガンダムが好きかという話を展開して、会場、登壇者を爆笑させた。
また、今回のイベントにSDガンダムのVIPがこれだけ集まったのは、7月22日発売の「G-SELECTION 機動戦士SDガンダム DVD-BOX」(初回限定生産/予約締切 6月14日)の発売記念であることに話がおよぶと、「また買わないといけないじゃないですか~」と早くも購入を決意、ジャケット描き下ろし&ブックレット新規作り起こし、そして低価格であることが紹介されると「絶対に買います!」と力強くコメントした。
DVD-BOX発売の流れから「機動戦士SDガンダム」シリーズについての話になると、パロディから始まったSDガンダムが一人歩き始めて、どんどんわけのわからない世界へ入っていったこと、円柱なのに縦に転がるコロニーや、毎回スイカ割りを始める殺駆頭3兄弟といった、随所に織り交ぜられるシュールなギャグの誕生秘話がアミノ監督から語られた。
また、天下泰平編でみんなが酔っぱらっている話では、富野監督から「子供に見せるモノになんでそんなに飲み会出すんだ」とすごく怒られたこともあったという。
ここで菅沼さんからアミノ監督に、劇中でよく登場した「ポッピーン」というギャグが一体どこから生まれたのかという質問が挙がった。
菅沼さんは同じく「SDガンダム三国伝 BraveBattleWarriors」に出演している寺島拓篤氏と声優界の「SDガンダムの会」を結成しており、寺島さん演じる甘寧ケンプファーがやられる時、台本には「ウワァーッ!」となっているのを「ポッピーン!」にしようと提案、そして実際に使われたというエピソードを披露。「SDガンダムの数十年の歴史を引き継いで、今も『ポッピーン』が息づいているんですよ。」と続け、会場から笑いと拍手が送られた。
アミノ監督は「当時も何なんだあれはと散々言われていたけど、こういう話を聞くと涙が出てくるね。」と返した。
そんなアミノ監督の思うがままに作られていたSDガンダムも、騎士ガンダムが登場する「外伝」からはカードダスの世界観をきちんと取り入れ、それを再現することで表現をする路線へと舵を切る。
これについてアミノ監督は「“真面目”を切り口にして、シリアスな展開を楽しめるものにしたかった。一切ギャグもなく、今までのシュールさは何だったのか(笑)と思えるぐらいまともになっていったよね」とコメント。
当時それを観ていた菅沼氏からも「約40枚のカードで構成されたストーリーに沿って作られているので、そうか!ナイトガンダムとサタンガンダムは実は同一人物だったんだ~というように、このアニメで外伝の話を覚えた」と当時の思い出を語った。
そして来年で25周年を迎えるプラモデル「BB戦士」の生い立ちの話では、当時レイアップにバイトとして入ったばかりの今石氏が言われるがままにデザインコンペに参加したら採用されたこと、そして実は横井氏が落選していたなど、衝撃の事実が明らかに。
等身をつめて線を減らす横井氏に対して、線を増やしてディティールアップさせる今石氏の方が、プラモデルのデザインとしては結果的に良かったというのが理由として挙げられた。
また、今石氏がBB戦士のデザインを担当するようになったことについて横井氏は当時すでに一人で出来る量ではなくなっていたのと、プラモデル、カード、ガシャポンと分かれて、それぞれが個性を発揮できてよかったんじゃないかとコメントした。
なお、寺島氏は当時、BB戦士のデザインをしながらカードの絵も描いて、横井画伯のマンガのアシスタントを朝までさせられたりと、若手として色々コキ使われていたとのことだ。
終盤は横井画伯が秘蔵のセル画を取り出して、それぞれのシーンについて各々が思い出が語るコーナーに。
熱いシーンや、いわくつきのシーンが飛び出すたびに、会場からはどよめきが起き大いに盛り上がった。
最後は各人からのコメントで締めくくられた。
寺島氏 「何と言えば良いのか… 本当に今日はありがとうございました。」
今石氏 「今日は遠いところからも集まって頂いて本当にありがとうございます。
SDガンダムを堪能して頂けたのなら嬉しいのです。
第3部もあるので、ぜひお腹いっぱいになっていって下さい。」
横井氏 「今日は本当に聞いてて楽しかったです(笑)。
皆さんも来て頂いてありがとうございます。」
アミノ監督 「SDガンダムの初期から関わっている身としては三国伝の続編をやりたいのですが、
森さんや鈴木さんというちゃんとできる人がいるので、
機会があればオマケみたいなものが作れればと思っています。
今日は本当にありがとうございました。」
菅沼氏 「今日は視聴者代表として参加しましたが、監督にポッピーンの秘密を聞けたのが何よりです。
これからも皆でポッピーンを使っていきましょう!今日はありがとうございました。」
長谷川氏 「今日はみんな仲間という感じで嬉しかったです。ありがとうございました。」
■ 第三部 SDガンダムの未来とは? ~俺たちのSDガンダム~
第三部では、来場者に記入してもらったアンケート結果をもとに、SDガンダムという作品や商品についてのクロストークが展開され、制作サイドであるサンライズ、バンダイ、そしてアミノ監督、横井画伯らには、ファンからの熱い想いがぶつけられた。
左から司会の尾上氏、サンライズ・中島氏、アミノテツロ監督、菅沼久義氏、バンダイホビー事業部・長谷川氏、同・安永氏
まず最初に発表されたのは『好きなSDガンダムシリーズは?』という質問への集計結果で、数ある作品の中で第1位に輝いたのは「戦国伝」、続く第2位は「外伝」、そして第3位に「三国伝」がランクイン。やはり武者ガンダムと騎士ガンダムは強かったが、中には「ガンボイジャー」が一番好きという濃い意見もあり、さすがはSDガンダムファンのエリートが集結したイベントという感があった。
続いての質問は『一番購入したSD商品は何ですか?』で、結果は2位にトリプルスコアをつけるぶっちぎりで「BB戦士」が1位を獲得。なお「BB戦士」の名前は、武器に仕込んだバネで飛ばす「BB弾」に由来しているが、今はもうキットに同梱いないため、「三国伝」はアニメ化する時にプロデューサーの提案で「ブレイブバトルウォーリアーズ」になったというマメ知識が紹介された。
その後の『SDガンダムのここが好き』、『SDガンダムに期待すること、こんなSDガンダムを見てみたい』という質問にも、面白い回答が数多く寄せられ、中には「新作アニメを作って!」という意見も。
これに対してアミノ監督は、
「皆さんはSDガンダムを子どもの頃に観て、あるいは触って、よかったなって思ってくれて、今でもずっとお付き合い頂いている。仕事してても「昔見てました!」みたいなことを、若い世代の人たちが襟を正して言ってきてくれるのだけれど、最近わかってきたのは、“子供の頃好きだった”というのが大事なんだと。
頭を働かせると、ボリュームやスケール、クオリティ、色々なものがどんどん良くなっていくけれど、子供の頃本当に好きだったのは、多分もっとシンプルなものだったんだよね。だからこれから作っていかなきゃいけないのは、子どもたちから見て、もっと触りやすいもの、素朴なもの、これまでと全く同じじゃ困るけど、小さな子どもが好きなもの。
赤ちゃんのころは未発達で、老人は退化してるから、赤ん坊と老人は同じだなんてよく言われるけど、僕はその気分がすごくよく分かってきた。今僕はやっぱり赤ちゃんに近い。今僕にSDガンダムをやらせれば、子供たちが喜ぶものが出来ると思っている。」
と、強い意気込みを語り、サンライズ中島氏は、皆さんの支えがあってのSDガンダムなので、皆で頑張っていけばあるいは、とこれに応えた。
最後は豪華な最新アイテムから今はもう手に入らないお宝アイテム、さらにはクリエイター陣の直筆サイン入り色紙などを一挙大放出する大プレゼント抽選会が開かれ、大盛況のうちに幕を閉じた。
横井氏、今石氏、寺島氏のほか、三国伝の漫画を執筆する津島直人先生、高野あつのり先生、下田勝彦先生からも、直筆イラスト入りのサイン色紙がプレゼントされた。
そして横井氏からは来場者全員に、お土産としてオリジナルポストカードが配られた。 |
SDシリーズの原点にしてパロディアニメの金字塔「機動戦士SDガンダム」が、スペシャルプライスのガンダムDVD-BOXシリーズ『G-SELECTION』で登場!
「機動戦士SDガンダム MK-I~V」、「機動戦士SDガンダムの逆襲」、「 SDガンダム外伝」、「機動戦士SDガンダムまつり」など、当時子供たちの間で一世を風靡した超人気作品を収録。特典としてライナーノートが封入されるほか、佐藤元描き下ろしイラストによる特製ボックス仕様となっている。
発売は 2011年7月22日(金)!初回限定生産なので予約をお忘れなく!!
※後編レポートは当初5月20日に掲載を予定しておりましたが、
編集上の作業ミスにより掲載されていなかったため、本日改めて掲載いたしました。
掲載が遅れましたことを、関係者ならびにファンの皆様へ深くお詫びいたします。
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