25 octobre 2015
4名の受賞者が新たなメンバーに!「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」第一次選考発表会レポート
受賞アイディアへのオープンイノベーションは11/2開始!
ガンダム生誕40周年を迎える2019年に18mの実物大ガンダムを動かし、一般公開することを目指すプロジェクト「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」の第一次選考発表会が、本日10月26日(月)に東京・秋葉原UDXにて開催された。
発表会は、18mのガンダムを実際に動かす「リアルエンターテインメント部門」と、視覚効果を利用して仮想空間で動きを再現する「バーチャルエンターテインメント部門」の2部門で、昨年7月から今年2月にかけてアイディアを一般公募した第一次募集の結果を発表するもの。
発表に先立ち、一般社団法人ガンダム GLOBAL CHALLENGE代表理事、株式会社サンライズ 代表取締役社長・宮河恭夫氏より、「第一次募集では国内外から多くの応募がありました。受賞者にはプロジェクトの原動力になってもらいたい」と挨拶があり、チーフ・ガンダム・オフィサー、株式会社バンダイ 取締役会長・上野和典氏からは「今回応募していない研究分野で社会的地位のある方たちの間でも話題になっており、色々な話がもれ聞こえています」、一般社団法人ガンダム GLOBAL CHALLENGE理事、株式会社創通 代表取締役社長・青木建彦氏からは「受賞メンバーの参加でプロジェクトがパワーアップすることを楽しみにしています」と続いた。
今回受賞したアイディアは、数多くの応募の中から『機動戦士ガンダム』総監督の富野由悠季氏や、ガンダム GLOBAL CHALLENGE技術監修、早稲田大学副総長・理工学術院教授の橋本周司氏などが選定委員を務める「ガンダム GLOBAL CHALLENGE リーダーズ」による厳正な審査を経て選ばれたもので、受賞者は今後「ガンダム GLOBAL CHALLENGE メンバー」としてプロジェクトに参加していく。
「リアルエンターテインメント部門」では4つのアイディアが受賞。(「バーチャルエンターテインメント部門」は該当なし)
各受賞アイディアと受賞者のプロフィールは以下の通り。
金子裕哉
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科博士後期過程 / 24歳 / 奈良県
静岡県出身。沼津工業高等専門学校の電子制御工学科を卒業。
2015年現在は奈良先端科学技術大学院大学で博士後期課程に在籍する学生。流星バースト通信、光電波融合技術など無線通信分野の研究に従事。
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科博士後期過程 / 24歳 / 奈良県
静岡県出身。沼津工業高等専門学校の電子制御工学科を卒業。
2015年現在は奈良先端科学技術大学院大学で博士後期課程に在籍する学生。流星バースト通信、光電波融合技術など無線通信分野の研究に従事。
Ming-Hsun Chiang
国立台湾大学 非常勤准教授 / 36歳 / 台北市
国立台湾大学卒業 工学博士。長年にわたり、人体解剖学、スポーツ医学、生体力学などの研究に従事したのち、ロボット工学の分野に展望を見出し、ヒューマノイドロボットの新型メカニズムと、その歩行プロセスフローについて提唱。より人間に近いロボットの開発に携わっている。
同時に研究のため、博士課程在籍中にマシニングワークショップを創設。このワークショップを通じて、工業技術研究院(ITRI)、大学など、ロボットのデザインと設計を目指す他の組織をサポートしている。
国立台湾大学 非常勤准教授 / 36歳 / 台北市
国立台湾大学卒業 工学博士。長年にわたり、人体解剖学、スポーツ医学、生体力学などの研究に従事したのち、ロボット工学の分野に展望を見出し、ヒューマノイドロボットの新型メカニズムと、その歩行プロセスフローについて提唱。より人間に近いロボットの開発に携わっている。
同時に研究のため、博士課程在籍中にマシニングワークショップを創設。このワークショップを通じて、工業技術研究院(ITRI)、大学など、ロボットのデザインと設計を目指す他の組織をサポートしている。
木原由光
ロボフューチャー株式会社 代表取締役 / 47歳 / 福岡県
1967年生まれ。東海大学工学部生産機械工学科卒業。
自動車会社での設計経験を活かし、現在は福岡県でロボット及び機械装置の設計、製作、販売を行っている。
ロボフューチャー株式会社 代表取締役 / 47歳 / 福岡県
1967年生まれ。東海大学工学部生産機械工学科卒業。
自動車会社での設計経験を活かし、現在は福岡県でロボット及び機械装置の設計、製作、販売を行っている。
岡田 慧
東京大学情報システム工学研究室 / 42歳 / 東京都
1997年京都大学工学部情報工学科卒業。2002年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻 博士課程修了。博士(工学)。2002年東京大学大学院情報理工学系研究科科学技術振興特任教員。
2006年同特任講師。2009年東京大学大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 准教授となり現在に至る。三次元視覚処理,認識行動システム、ヒューマノイド、モバイルマニピュレーション、オープンロボットソフトウェアの研究に従事。
東京大学情報システム工学研究室 / 42歳 / 東京都
1997年京都大学工学部情報工学科卒業。2002年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻 博士課程修了。博士(工学)。2002年東京大学大学院情報理工学系研究科科学技術振興特任教員。
2006年同特任講師。2009年東京大学大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 准教授となり現在に至る。三次元視覚処理,認識行動システム、ヒューマノイド、モバイルマニピュレーション、オープンロボットソフトウェアの研究に従事。
それぞれ受賞について、「まさか選ばれるとは。光栄に思います。自分には、富野監督に会うこと、ガンダムを作ること、2つの夢があったが、一つは今日実現し、もう一つはこれから始まる。こんなに嬉しいことはないです。」(金子裕哉氏)、「ガンダムは私たちに大きな夢を与えてくれました。今度は私たちの手で、その夢を現実にしましょう。また、支えてくれた家族、指導してくれた先生に感謝します。」(Ming-Hsun Chiang氏)、「プロジェクトを知った時からぜひ参加したいと思っていたので、今回の受賞はとても嬉しいです。今後も皆さんと協力して、プロジェクトに貢献していきたいと思っています。」(木原由光氏)とコメント。
また、授賞式には、ゲストプレゼンターを務めるSUGIZO氏(LUNA SEA、X JAPAN)が登場し、認定証と目録を贈呈。「子どもの頃に思い描いた夢が現実化しつつあるが、同時に様々な問題も山積しています。夢を実現していく科学者の方々には“ガンダム”と“世界”のために、明るい未来を具現化してもらいたい」と受賞者にエールを送った。
さらに、今回の審査に携わった橋本周司氏と富野由悠季氏、中京大学工学部教授・ピトヨ ハルトノ氏、株式会社ライゾマティクス代表取締役・齋藤精一氏、映画監督・本広克行氏が登壇し、受賞アイディアについて講評をコメントした。
ガンダム GLOBAL CHALLENGE技術監修、
早稲田大学副総長・理工学術院教授
橋本周司氏
18mのガンダムを二足歩行させる難題に対して、
2体が組むというシチュエーションで解決する、
内部の機構を工夫することで実現を目指す、
全て中に入れるのではなく外に補助機能を持たせる、
次世代の開発ツールを作るという、
それぞれ異なる角度からアプローチしており、
これから一緒に考える仲間としては、とても良い人たちだと思っている。
中京大学工学部教授
ピトヨ ハルトノ氏
18mのガンダムは6階建てのビルに相当するので、
動かすことは不可能だと多くの研究者は言うが、
新しいメンバーが加わったことで光明が見えた。
でもブレイクスルーはまだまだ必要。
映画監督
本広克行氏
プロジェクトは今、紙の上で様々な検証をしている段階で、
今後はカッコ良さなどエンターテインメント性を追求していくことになる。
その部分を担っていると思い、今回はトライ&エラーのひとつとしてCG映像を作った。
▲CG映像では「デッキから歩き出す」、「ヒザを着いた状態から立ち上がる」、「シャア専用ザクと組み合う」、「トレーラーから起き上がる」4つの動きを披露。
株式会社ライゾマティクス代表取締役
齋藤精一氏
バーチャルであってもプロジェクションマッピングだけでは実現できず、
実際に動くものと“+α”で環境を作ることや、本物に近づけるための演出には、
今後もリアル部門で2つ3つのブレイクスルーが必要になってくる。
スタート地点には立ったが、これからもドンドン多くの才能に参加してもらいたい。
『機動戦士ガンダム』総監督
富野由悠季氏
開発や生産・運用の大変さは見知っているので、
この絵空事は困ったものだと感じているが、
人型のロボットを動かすことから応用技術が生まれることは面白いと思っている。
それに、2009年の動かないガンダム立像には大きなインパクトがあったので、
ガンダムを見た人たち、とりわけ子どもたちがどんなことを考えるのか、
楽しみである。
最後はプロジェクトの現状説明や課題、今後の展望を語るプレゼンテーションが行われ、「本プロジェクトをアポロ計画と重ねて考えています。18mのガンダムを動かすことに意味はないかもしれないが、試行錯誤することでロボット技術が加速する可能性を感じています。」(宮河恭夫氏)、「ロボット工学の範疇を超えているが、大きな物を運ぶトレーラーや高層ビルの免震構造があるので、解はあるはず。富野監督からの題にどう答えるか、安全性も重視して考えていきます」(橋本周司氏)、「2009年のお台場でのインパクトから2019年に向けてのチャレンジ。ガンダムを動かすという究極の夢を、どのような形でお披露目できるかワクワクしています」(株式会社バンダイナムコホールディングス 代表取締役社長・田口三昭氏)のコメントで発表会は幕を閉じた。
「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」では、第一次募集で選考された今回の受賞アイディアに対して、さらなるアイディアを追加募集する「オープンイノベーション」が、11月2日(月)より実施される。
多くの人の協力でさらに進化することを期待しているとのことなので、ぜひとも参加を検討してみよう。
なお、発表会の模様は後日アーカイブ配信を実施予定。こちらもお楽しみに。
(ガンダムインフォ編集部)
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