6 février 2013
福井晴敏氏&小形尚弘氏が「逆襲のシャア」を語る!第1回「ガンダムエースシアター」レポート!
「逆襲のシャア」の結末が「ガンダムUC」を生んだ理由とは…!?
月刊ガンダムエース×角川シネプレックス共同企画のガンダム作品上映イベント「ガンダムエースシアター」が2月1日(金)に千葉・シネプレックス幕張にて開催された。
記念すべき第1回目となる今回の上映作品は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』。
来場者には、カトキハジメ氏が描く「νガンダム Ver.Ka」のB2ポスターがプレゼントされた。
来場者には「νガンダム Ver.Ka」B2ポスターがプレゼントされた。また、「ガンダムエースシアター」グッズとして、大河原邦男氏、美樹本晴彦氏、安彦良和氏の直筆サイン本やガンダム関連アイテムが販売され、物販コーナーは長蛇の列となった。
上映終了後は「ガンダムUC」ストーリー担当の福井晴敏氏と、同作のプロデューサーの小形尚弘氏、ガンダムエース編集部の石脇 剛氏の3人によるトークライブが実施された。ここでしか聞くことの出来ない裏話など、盛り沢山の内容をさっそく紹介していこう。
福井氏の「いつもトークライブの出囃子は『UC』の音楽だったんですけど、今回は『逆襲のシャア』だったので新鮮な感じです。」という言葉を皮切りに、『機動戦士ガンダムUC』制作陣による、『逆襲のシャア』を振り返りながらのトークが進む。
福井氏の「お二方は公開当時(1988年)にリアルタイムで観られましたか?また、公開時はいくつでしたか?」との質問に、小形氏は、「当時は中学生で、ファーストを網羅していた身としては、シャアとアムロの続編なんて1番観たい話だったので勿論劇場に行きました。ラストシーンで呆然としたことを今でも覚えています(笑)。特にシャアの台詞の『ララァがお母さん』ってどういうことだろう…シャアは一体何を言っているんだ!?とか、当時中学生の僕にとっては分からなかった部分が多々ありました。」とコメント。
石脇氏も「当時は高校生で、大学受験が終わった頃でした。『逆襲のシャア』は今でも大好きな作品ですが、僕もラストはよく分からなかったですね。シャアは女ったらしだなぁ、と思っていました(笑)。」と語った。
2人のコメントを聞いて、満を持して語り出す福井氏は、「僕は大学生でした。劇場で思わず身を前に乗り出すという経験をしたのは初めてでした。やはり最後の場面のところです。“アクシズ”が地球を離れていくシーンの後に、いきなり声の出演テロップが表示され…「え、ここで終わり!?」と、衝撃で身を乗り出しました。まさしく、“ポカ~ン”としましたね。今までガンダムはコミュニケーションに重きを置いてきたような気がするのですけど、最後の最後になって自らがディスコミュニケーションになってみせることで、僕たちに大きな宿題というか…爆弾を残していったような気がしています。」と語り、それに同意するように小形氏は、「『逆襲のシャア』の最後がああいう終わり方がだったことが個人的にずっと引っ掛かっていいました。当時、シャアとアムロの決着がもし綺麗についていたら、今サンライズに入っていなかったかもしれない。」と語り、客席の中にはコメントに対して大きく頷く姿も見られた。
左から石脇 剛氏、福井晴敏氏、小形尚弘氏。
まるで同窓会で青春時代の思い出話をするかのように、それぞれの『逆襲のシャア』に対する想いを語る。
まるで同窓会で青春時代の思い出話をするかのように、それぞれの『逆襲のシャア』に対する想いを語る。
続いて石脇氏より、「『UC』の小説をお願いした時のエピソードについてはいかがでしょう?」との質問に対して福井氏は、「OVAを何本か出そうという段階で、『ΖΖ』と『逆襲のシャア』の間の話はどうかと提案しました。旧式コロニー“ムーン・ムーン”というものが『ΖΖ』に出てくるんですが、当初そこを舞台に、“ムーン・ガンダム”というものを考えていまして。当時提出した企画書を見なおしたら、驚くべきことにその時点で“MSの角が割れてガンダムになる”というアイデアが在ったんです。」と、当時の企画案を聞かせてくれた。
最後に、『UC』と『逆襲のシャア』の繋がりについて福井氏は「映画を音楽に例えたら、『逆襲のシャア』は“リズム”でしかなく、これに“メロディ”も乗せるにはどうすればいいかと考えていたんですが、メロディをのせた時点で失われるものが確実にあるんじゃないか?それが『逆襲のシャア』の核心なんじゃないか?という考えに至りました。けれど僕の中では未だに答えは出ていません。観る側に核心を伝えきることのできる映画とはどうすれば作れるのだろう、というのが僕の人生テーマでもあります。
このように、我々を含め大勢の視聴者が考えさせられたであろう『逆襲のシャア』ですが、このような作りで良かったということが1つあります。それは、結末がよく分からなかったおかげで、我々は『UC』を作れたということです。『逆襲のシャア』が、もしすべてを語りきって完結されていたら、多分今の『UC』は生まれなかったでしょう。この映画の隙というか、曖昧なままで投げ出された部分が『UC』を作る上でのブースターになったことは間違いないです。富野さんからは「何が分からないの?」って言われてしまいそうですけど(笑)」と語り、トークライブは締めくくられた。
2月23日(土)開催予定の第2回ガンダムエースシアターでは、『機動戦士ガンダムUC』episode 4「重力の井戸の底で」と、episode 5「黒いユニコーン」を上映。トークライブでは、福井晴敏氏と『UC』の設定考証・小倉信也氏が、episode 6「宇宙と地球と」の映像展開を目前に制作スタッフならではのウラ話をたっぷりと語る予定とのことだ。
詳細については 角川シネプレックスをご確認ください。
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